揺れる糸 【第三章】 満たす者
🕑 Added 2019-10-19 04:54:41 +0000 UTC
(もう12時過ぎてる…)
暗闇の中で青白く光る時計の針は、深夜の時間を指していた。
綾はもう眠ってるかな。耳を澄ましても物音は聞こえない。
(私も早く寝なきゃ)
ベッドに横になったまま目を閉じて、呼吸を整える。けれど、綾に触られた部分がまだ疼いてる。乳首も敏感になって、服に擦れただけで刺激を感じる。
身体が火照り、熱い吐息が漏れる。額の汗で髪の毛が顔にべったりと張り付いた。
膝を立てて、股を大きく開き、胸と股間に手を伸ばす。けれど、短い腕が袖の中で空しくもがくだけだった。見えない手が体をすり抜けていく。
(切ないよ…)
寸止めオ〇ニーをした時の随分前のことを思い出す。一か月くらいオナ禁して、限界まで焦らした後に果てる。我慢した分、イった時の快感は気を失いそうになるくらい気持ちよかった。
その頃とは違い、今では焦らされた身体が永遠に放置される。
もう二度と自分の指で弄ることができない。そう思ったとき、アソコが切なそうにひくつくのを感じた。
両脚を絡めて、股間を圧迫してみる。下腹部の奥にやんわりとした快感が走る。けれど、全然足りない。
暑さのあまり、ズボンの裾を足の指でつかみ、引っ張るようにして脱いだ。
気が付くと目が暗闇に馴れて、月明かりでも十分に周りが見えるようになっていた。
ベッドから立ち上がって、勉強机に向かう。机の角にゆっくりと股間を押し付けた。
「んっ」
陰部全体に快感が走った。腰を動かし、刺激を繰り返す。
「はっ、んっ」
ぬちゃっぬちゃっと、分泌された愛液が角を濡らしていく。
快感が高まり、腰の動きが大胆になる。
しかし、股間への摩擦が強すぎたのか、快感がだんだんと痛みに代わっていった。
痛みに耐えられず、腰を離す。
「はぁ、はぁ」
腕が無いため身体を支えることができずに、体重が一か所に集中してしまう。
呼吸を整えてる間に、痛みが収まった。同時に、身体の疼きが戻ってくる。
(そうだ)
タンスの前で腰を降ろした後に、一番下の引き出しを足を使って手前に引いた。
引き出しの中には、古くなった洋服がぎっしり詰まっている。捨てようか迷ったときにとりあえずしまっていた場所だから、めったに使わない。
洋服を掻き分けて、ピンク色のコードを引っ張り出した。それはバイブレーターと言われるもの。女性が快感を得るために使われる、いわゆるオ〇ニーグッズだ。
ダイヤル式のスイッチを入れると、卵の形をした玉が振動する仕組みになっている。
足の指で試行錯誤し、なんとかスイッチを入れると、LEDが赤く点灯し、バイブレーターが激しく振動した。
すかさず、ク〇トリスに当たるようにバイブレーターの上でしゃがむ。
「あっ、んっ」
バイブレーターの振動が、ク〇トリスを強く刺激した。快感が下半身をほとばしり、腰が崩れそうになる。
(だめ、イっちゃう)
僅かに腰が震える。
あと少しと思ったとき、バイブレーターの動きが止まった。
「えっ?」
中途半端にイかされたまま、理解が追い付かない。
刺激の欲しさのあまり、陰部をバイブレーターに押し付ける。
(うそ、電池切れ?)
ダイヤルを回そうとするが、痺れた足はいうことをきかなかった。
一年もの間にタンスの奥に放置され、電池が切れてしまっていた。
(まだちゃんとイってないのに…)
どうすることもできないまま、床の上で寝そべる。姿鏡にはパンツを丸出しにして淫欲に溺れた顔をする両腕の無い自分の姿が映っていた。
(私、こんな顔してたんだ…)
「お姉ちゃん、大丈夫?」
ドアの方を見ると、綾が様子を伺っていた。
慌てて体を起こそうと狼狽する。
綾がそっと、隣にしゃがんだ。
「すごく辛そう」
上半身を支えて、片手を股間に伸ばした。
「今、楽にしてあげるからね」
綾の細い指が、パンツの上から割れ目をなぞる。
「やっ、んっ」
ク〇トリスを指の腹で擦り、摘まみ上げられた。
激しい快感が頭の中を突き抜ける。
「あっ、イ、イクっ!」
頭の中が白く染まり、気を失った。