日本人と韓国人の保健体育①
🕑 Added 2020-11-19 11:25:35 +0000 UTC
4時間目の授業が終わると、僕たちのクラスは給食の準備に入る。
給食当番である僕は、給食室まで給食を取りに行く。
重い食缶を運ばなければいけない給食当番だから、いつもだったら面倒くさいのだけど、今週だけは話が別だ。
僕が大好きな麻里ちゃんも、同じ給食当番なのだ。
麻里「圭吾くん、髪出てるよ」
僕「えっ、本当?」
麻里「私が入れてあげる」
僕「う、うそ、ごめん、ありがとう!」
麻里ちゃんが僕の給食帽の中に、耳の横から少し出ていた髪の毛をしまいこんでくれた。
麻里ちゃんの小さな指に触れられ、僕の耳がカァっと熱くなる。
麻里「どうしたの?圭吾くん、熱でもあるの?」
僕「ううん、なんでもない。ありがとう」
麻里ちゃんに触られたから緊張して赤くなった、なんて言えずに、しどろもどろの言い訳をしてしまう。そんな僕に対して、麻里ちゃんは、「そっか」と満面の笑顔を見せる。こんな可愛い子と話せるなんて、本当に給食当番は最高だ。二人だけ、ならもっと最高なんだけど……
ジンス「喋ってないで準備できたなら早く行くぞ」
ミンギュ「お前らノロノロすんなよ」
そう、給食当番は四人なのだ。
キム・ジンスとキム・ミンギュ、この双子の韓国人も僕たちと同じ給食当番だ。
ジンス「今日の給食トンカツだろ?最高だな」
ミンギュ「ああ、今日は休みがちょうど二人いるから、二枚食えるぞ」
麻里「ちょっと、余った分は欲しい人でジャンケンでしょ?」
ジンス「ちぇ、うっせーなぁ。黙ってりゃバレねーよ」
ジンスとミンギュは食べることしか頭にない。
そのためか、他のクラスメイトよりも体が大きく、中学生と比べても遜色ない。
僕は、なんとなくこのジンスとミンギュが嫌いだった。
粗野で乱暴、頭も悪いし、言っては悪いが、小学6年生にしては話している内容がかなりバカっぽいのだ。
麻里ちゃんもそんな二人に辟易しているのか、疲れた笑顔をこちらに向けて眉をひそめている。
まったく、せっかくの給食当番をこんな二人のせいで邪魔されたくはない。
僕は、二人を無視して、麻里ちゃんと楽しく喋りながら給食室へと向かった。