日本人と韓国人の保健体育③
🕑 Added 2020-11-24 13:04:55 +0000 UTC
「おお」
プールサイドにいる男子たちから感嘆の声が上がった。
着替えを終えて更衣室からプールサイドに上がってきた女子たちの姿は、精通を迎えつつある男子たちには刺激的なくらい、発育の良さを感じさせるものだった。
僕は、とっさにその中から麻里ちゃんの姿を探そうとする。
いた。
後列の一番左。小学生にしては大きすぎる胸をたぷんとさせて、麻里ちゃんは周りの女子たちとおしゃべりしていた。自然と股間に血流が巡っていくのがわかる。まずい、このまま見ていたら、プールサイドで勃起してしまう。こんなところで勃起していることが男子たちにバレたら、巡り巡って女子にも、麻里ちゃんにも知られてしまうだろう。今は我慢するしかない。
そう思って、目を無理やり麻里ちゃんとは反対の方角に向けた。
男子たちを見ると、皆女子の水着姿に夢中のようだ。
「明里ってあんなに胸でかかったんだ」
「京子の股の部分やばくね?ハイレグみたいになってんじゃん」
「俺は香奈美くらいの体が一番タイプだな」
やれやれ、こいつらみんな女子の体に惑わされて……と思ったが、僕も同じだったことに気づき頬を赤らめる。くそ、男はみんなこうなのか。
が、ふと視界に入ってきたジンスとミンギュは、まったく女子の方を見ていない。二人でサッカーか何かの別の話をしているようだ。
(なんだよ、あいつら……。普段は女の話ばっかりしてるくせに。いざ女子の水着姿を目の前にしたら何も言わないのか?)
周りとは違う体格と風貌も相まって、彼ら二人だけ、僕たち「子供」とは違う世界に住んでいるかのように感じられてしまうのが情けない。いや、あいつらだって、本当は女子の体に興味があるに決まってる。さっきだって、教室で、ま、麻里ちゃんのおっぱいの話をしていたじゃないか。やせ我慢して興味がないふりをしているんだろう。
「ほら、お前ら!女子の方ばっか見てないでさっさと泳げ!」
先生の注意で、皆順番に水に入って泳ぎ始める。
ここでも活躍するのは、ジンスとミンギュの二人だ。
周りの男子とは違う体格的なアドバンテージを活かし、ぐんぐんスピードに乗っていく。
男子だけでなく、プールサイドで見ている女子からも歓声が上がる。
「ミンギュはやーい!」
「ジンスの体かっこいい」
だから、体育は嫌なんだ。嫌が応でも、この二人に、「身体的には」負けていることを自覚させられるから。国語や算数だったら僕が勝てるのに。僕は、歓声をあげる女子の中に麻里ちゃんがいないことを祈りながら、ジンスとミンギュに続いてプールの壁をキックし、クロールを始める。
前を泳ぐ二人との差は、絶望的なほどに開いていた。