今更解説コンプレッサー①
🕑 Added 2022-03-30 12:00:39 +0000 UTCこんにちは!
今回はコンプレッサーの使い方についてです。
おいおい、今更コンプレッサーかよ?俺はもうとっくにマスターしてるぜ。
と思ったあなた、今回はビギナーの皆さんの為にどうか温かい目で見てください。
ミックスはEQとコンプが基本!と言われるほど、なんだか重要そうな立ち位置にいるコンプレッサーというエフェクト。
しかしその実、効果のわかりやすさで言えばEQとは比にならないくらい分かりづらいものです。
僕は高校生の頃初めてDAWを弄った時
「は?コンプレッサーってプラグイン何も音変わらないじゃん。使えね〜〜。マキシマイザー挿入!音がでかくなって最強!マキシマイザー最強!」
と、最初の1年くらいはコンプレッサーを完全に無視していました。
その点EQはわかりやすくて良いよね。なんか動かしたら音スカスカになったりモコモコになったりするし。
でも当然、コンプレッサーもEQと同じくらい重要な役割を果たしています。
どういう役割があるんだろう。
なぜコンプレッサーを挿すのか
まず結論から言うと、ミキシングには横のバランスと縦のバランス、そして奥行きのバランスの3つの要素を調節する必要があり、コンプレッサーはそのうち奥行きのバランスを担当する大事な要素となります。
学校の数学の時間で習ったベクトルをイメージしてほしいんだけど、
①横のバランス調整(x軸)がいわゆるパンニング!
音を真ん中においたり、ちょっと左右にずらしたり。
はたまたステレオイメージャーで音をワイドに広げたり、逆にセンターに寄せたりするバランス。
②縦のバランス調整(y軸)がEQやフィルター!
皆さんおなじみのEQ。そしてビルドアップとかでお世話になってるフィルター。
周波数を弄って、低音をコントロールしたり、特定の帯域をカットして音を聞き取りやすくするバランス。
③奥行きのバランス調整(z軸)がコンプレッサーやトランジェントシェイパー!
ダイナミクス(音がちっさくなったり大きくなったりする振れ幅)をコントロールする。
コンプレッサーで振れ幅を調節したり、トランジェントシェイパーでアタックを強くしてあげたり、逆にリミッターでピークを抑えてあげたりする。
ほかにもマキシマイザーやエキスパンダー等色々あるけど、やってることは一緒で音量の調整。
…という風に、
サウンドを整理するのは基本的にこの3つの要素に気を配らないといけないんだけど、
そのうち③奥行きのバランス調整(z軸)が一番初めはとっつきにくいと思うんだよね。
①横のバランス調整(x軸)は誰でもわかるし、何ならある程度一般的な正解もだいたい理解している。
キックとスネアなんて99.9999%真ん中から鳴るもんだと曲を作りはじめる前から思ってるし、音が左と右どっちから聞こえるかなんて誰でもわかる。
②縦のバランス調整(y軸)も、多少慣れが必要だけど、音がどう変わったかはどの環境で聴いても理解できる。音をモコモコにしたいか、スカスカにしたいか、もしくは嫌な共鳴を取り除きたいかは自ずと目星がつけるようになる。
そして、③奥行きのバランス調整(z軸)がなぜ一番とっつきにくいか。
おそらく原因はこれです!
苦手克服①:音の変化を感じられない
まずこれ。そもそも使い方がわからんという悩み。
もしコンプレッサーの仕組みが全くわからないという人は、なんでも良いから適当なドラムループに挿して使ってみよう!
コンプレッサーは言ってしまえば「音量」のコントロールでしかないから、
試すならいきなり音がでかくなって小さくなるもの、
つまり打楽器、つまりドラムが一番わかりやすい!!
とりあえず実際に聴いてみよう
たとえばこのドラムループにコンプをかけてみます
コンプレッサーを挿します
↑そしたら、右上のThresh(スレッショルド)を思いっきり下げてみて!!
こんくらいガッと下げていい。
スレッショルドというのは「どのくらいの音量から音を抑え始めるか」という数値だから、もし音に変化を感じないなら、
とりあえずスレッショルドの値を思いっきりやりすぎなくらい下げてみよう。
自分でもさすがに変化がはっきりわかるレベルまで。
しっかり設定した後に丁度いい数値に戻せばいいからね。
すると先程のドラムがこんな感じになります。
明らかに音が変わったね。なんだかパッツンパッツンになった。
良く言えばタイトで締まった音。悪く言えばあまり抑揚の無い単調な音。
コンプレッサーというエフェクトの最大の個性が現れているね。
こういう音の変化の良い点、悪い点を分析しておこう。
そして次はAttackとRelease、そしてRatioで音量の抑え方を調節していこう!
Attack
(ここからは効果をめちゃくちゃわかりやすくするために、わざとスレッショルドを大げさに下げたまま進めます)
↓Attackを最速から最遅までをオートメーションした動画
Attackの調節かなり大事。
なんで大事かというと、特にドラムの場合、グルーヴというかビートのスピード感、つまり音の立ち上がりを決定付けるから。
上の動画を見るとわかるように、Attackを速くするほどすぐコンプがかかり、遅くなるほど原音の音の立ち上がりに近くなる、つまりコンプのパッツンパッツン感が薄れていくね。
速すぎると音が前のめりになり、迫力の無いペタペタした音になる(すぐ抑えられるから)し、遅すぎても抑えてほしいところで抑えてくれなくなる。
結論、こういう調節はフィーリングなので、耳で聴いてここが気持ちいい!!というスイートスポットを探そう!
EQと同じでコンプレッサーにも明確な正解は無いから、曲によって求められるスピード感や音の質感に合わせて設定していこう。
Release
次はRelease。またReleaseタイムのオートメーションを書いてみたよ。
Releaseも大事な役割を持っていて、
それはざっくり言うと「どのくらいコンプをかかりっぱなしにしておくか」というもの。
つまりReleaseが速ければ速いほど、アタックを通して潰された音はすぐ原音に戻ろうとするし、逆に遅ければ遅いほどコンプは「抑えっぱなし」になるということ。
(ざっくり言い過ぎて正確性を欠いてる気がするけど、完全に僕のニュアンスで書いています。)
そして↑のReleaseの動画で、最初と最後ドラムの余韻が変な感じになってたのはReleaseが超速い状態からスタートしたから。
極端に言えば、
「太鼓を一回叩くと1秒間は音が鳴るのに、最初の一瞬だけめちゃくちゃ音量を抑えてすぐ原音に戻している為、叩いた音自体より余韻の方が音がデカい」状態。
だからAttackもReleaseも速めにしてがっつりコンプかけるとあんな音になったんだね〜〜。まああのサウンドも逆にかっこいいまであるけどね。
逆に遅くすると、抑える力はゆっくり無くなっていく、つまり「抑えっぱなし」の時間が長くなるということだから、
基本的にReleaseを遅くすると「大きい音と小さい音の音量差が狭まって、音がマイルドになる」傾向にあるよ。
良く言えば音の大小によらず聴き取りやすくなる。
でも特にドラムだと遅くしすぎると打楽器としてのスピード感が薄れ、強弱も無くなって平坦な音になっていく。
要するにReleaseもAttackと同じく、曲によって独自のスイートスポットを見つけていく必要があるということだね。
Ratio
例のごとくかかり方をオートメーションで書いているよ。
Ratioはその名の通り比率で、何の比率かと言うと音量を下げる比率!
Ratio1.00:1は音を1から1まで下げるよ〜、という意味。つまり音は変わらない。
Ratio4.00:1は音を1から1/4まで下げるよ〜、という意味。つまりコンプがかかった瞬間に最大1/4まで音が小さくなる。
まあ〜〜、要するにどのくらいコンプかかってます感出すかってことです。
最初僕はThresholdとごっちゃになってたんだけど、違いをかんたんに言うと
Thresholdは「どのくらい音がでかくなったら音を抑えるか」
で、
Ratioは「音を抑える時どのくらい音を小さくするか」
ということ!
動画でわかるように、Ratioの数値が高くなればなるほど、コンプの癖がどんどん出るようになるね。
個人的には、とりあえずRatioは4.00:1くらいにしておいて、ちょっとコンプ感強すぎかな?と思ったら下げたり、もっとコンプ感出したい時は上げる感じで使ってるかな。
2.00:1か3.00:1か4.00:1か、くらいの感覚で使ってます。
というわけで、他にも色々つまみついてるコンプレッサーもあるけど、基本はこれだけ覚えればOK!
上記のやり方でいい感じのグルーヴになったら、後は下げすぎたThresholdを丁度いい値に戻して設定完了!
とりあえずドラム素材でコンプ操作に慣れてきたら、ギターやピアノ、ボーカルなど強弱が大きいサウンドに対してもチャレンジしてみてね。
次回は今更解説コンプレッサー②ということで、楽曲全体のバランスを意識したコンプレッサーの使い方について解説していくよ。
ではまた〜〜。