今更解説コンプレッサー②
🕑 Added 2022-04-14 07:53:20 +0000 UTCこんにちは!
今回もコンプレッサーについての解説です。
前回は「なぜコンプレッサーを挿すのか」、そして「コンプレッサーがどういう変化をもたらすのか」について説明してきました。
これで今日からコンプレッサーマスター!と終わらせたいところだけど、もうひとつ重要なポイントがあります。
というわけで今日はこれ!
苦手克服②:コンプレッサーを使う恩恵をいまいち感じられない
これです!
コンプレッサーの恩恵をあまり感じられないからコンプレッサーを使わない。
当然っちゃ当然のことだよね。
OTTは音めっちゃ変わるしかっこよくなるから使うよ!でも普通のコンプレッサーはなんか音良くなったかわからないから使ってないよ。
って人実は多いんじゃないかなって思う。
今回はコンプレッサーによって楽曲にどんないい変化が訪れるのかを書いていきたいと思います!
前提: 挿す必要が無いなら挿さなくていい
いきなり真逆のことを言うようで申し訳ないけど、もし今のままで100%完璧な音量コントロールがされていると思ったなら、コンプレッサーは挿さなくてOK!
むしろ、意味のないコンプレッサーは曲にとってマイナスになる可能性があるから、
はっきりと効果があると確信した時だけ使うようにしようね。
それは音量を下げた時に真価を発揮する
たまに「曲をチェックする時は音量を下げて聴いて!」と書いたりしてるんだけど、
それは曲の音量バランスや全体像を正しく俯瞰するためにとても重要なんだよね。
曲を作っていくうちについテンションが上がって、大音量で作業してしまうことがあると思う。
なんで音量を上げてしまうんだろう?
それは音量を上げた方がかっこいいと感じてしまうから!
なんで音量が上がるとかっこいいと感じてしまうんだろう?
もちろん人間の感性のバグ的な部分で、大音量の方が気持ちよく感じるように生まれつきできているのはあると思う。
でも理由はおそらくもう一つあって、それは大音量の方がすべての音がはっきりと聴こえるからだと思ってるよ。
作ってる時は音が全部しっかり聞こえたほうがいいのは当たり前だよね。
でもほとんどの人はそんな大音量で聴いてくれないよ。
そうそう、このはっきり音が聴こえるから、というのがポイント!
音がはっきり(存在感のある)聴こえる条件っていくつかあるんだよね。
- 単純に音量を上げた時
- 他の楽器と帯域的に被ってない時
- 音色が特徴的な時
- ダイナミクス(音量差)が適切である時
この最後の部分がコンプの役割というわけ!
利点1: 大音量にしなくても満足感のあるサウンドにする
そして不思議なことに、
音の立ち上がりや余韻等のトランジェントが曲のグルーヴにバッチリあってて、
なおかつ音量コントロールが自分の思惑どおりにコントロールされているなら、
大音量にしなくても同じ満足感を得ることができるよ!
例えば、ボーカルがいまいち曲全体で負けて聴こえると感じたら、
もちろんEQを使って帯域をコントロールするのも大事だけど、
コンプレッサーを使って音量の大小の差を縮めてあげるだけで一気に存在感が上がります!
例えば、ストリングスやピアノなど生楽器の音源を使うとき、特にダンスミュージックではそのままだと音が弱く感じるよね。
それは生楽器が弱い音なんじゃなくて、音量差が他のトラックより大きいせいで、小さい音量のタイミングで曲全体の中で聞こえなくなってしまっているだけの場合が多いよ
そして、最初のステップとしてこういう時に脳死でOTTを挿すのをやめよう。
OTTは言ってしまえば超過激な設定の3バンドコンプで、自分が思っているよりその素材のニュアンスや抑揚をぶち壊しているよ。あと中音域が台無しになる。
それも全部わかった上で挿すなら全然いいけどね。
代わりにコンプレッサーで適度に抑えてあげることで、素材の良さを活かしつつ、曲の中で存在感を上げることができるよ!
利点2: 曲としての一体感を出す
前回話した内容で言うz軸(ダイナミクス)の曲に与える影響は実はかなり大きくて、
バラバラのトラックの塊を一気に「曲」に昇華する働きがあるよ。
「このトラックだけなんか浮いてるな〜〜」と感じたことはあるかな。
この感覚は機材の解像度が高くなればなるほど顕著なんだけど、なんか1トラックだけ曲と切り離されて聴こえる時があるんだよね。
そういう時、コンプでアタックとリリースの値を適切にして軽く抑えてあげることで、そのトラックが曲と似たグルーヴ(音量差と言っても良い)を得ることができるから曲全体になじませられるよ!
また、複数のトラック全体にコンプレッサーをかける(いわゆるバスコンプ)も一体感を出す常套手段だね。
例えばキックとスネアにまとめて軽くかけてあげることで、小さい音量で曲を聴いてもビートが気持ちよく聴こえるよ。
利点3: 立体感を出す
コンプレッサーを使い慣れると、曲全体に立体感を出すことができるよ!
立体感ってどういうこと?
ここでいう立体感っていうのは、遠い音はさらに遠くにあるように聴こえて、近い音は超近くにあるように聴こえるということ!
これを実践するためには、まず遠い音と近い音でどういうダイナミクスの違いがあるかを理解しないといけないね。
ダイナミクスによる音の遠近(個人的感覚です)
超近い音→ ダイナミクスが小さい(がっつりコンプ)、音量が大きい
近い音→ ダイナミクスが大きい(コンプ感薄め)、音量が大きい
少し遠い音→ ダイナミクスがそれなり(コンプ感ほどほど)、音量が小さい
遠い音→ ダイナミクスが小さい(がっつりコンプ)、音量が小さい
この距離感によるダイナミクスの違いを意識してコンプをかけると、曲に立体感が出てかなり見違えるサウンドに変身するよ!
遠い音を作るのはリバーブやEQだけじゃなく、コンプレッサーによるダイナミクスコントロールも大事というわけだね。
そして、なによりこのコンプがけによる立体感は、最終的にリミッターでピークを潰したとしてもトラック同士の距離感が崩れにくくなって、充分な音量を得つつ立体的なサウンドに仕上げることができるよ!!
マスタリングの工程も大事だけど、やっぱり2mixの作り込みが90%くらい大事ということだね。
というわけで、今までそんなにコンプレッサーを使ったことがなかった人、もしくは苦手意識があった人、少し使ってみようという気持ちになったかな。
コンプレッサーは使えば使うほどありがたみが分かって手放せなくなる沼プラグインだから、この機会にコンプレッサーの奥深さを味わってもらえると嬉しいです!!
ではまた〜