妊活夫婦 『明かされていく興奮と過去…』 サンプル
🕑 Added 2026-02-23 01:39:22 +0000 UTC
※前回のエピソード
妊活夫婦 『クリニックでの相談』
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福永 浩平(たかはし こうへい)33歳
福永 広子 (たかはし ひろこ)30歳
夫婦。
子供を授かるために妊活をしているが、上手くいかず、病院で診てもらっても特に異常がある訳でもなく悩んでいた。
~本編~
「なるほど……では、もう少し詳しく聞かせてください」
広子は一瞬、息を詰めた。
「……え?」
「その時の状況や流れ、どのようなやりとりがあったのか。そして、ご自身の感覚や、心の奥底にあった感情も、できるだけ詳しくお話しいただけますか?」
広子の指が、膝の上でぎゅっと絡まる。タイトなジーンズに包まれた太ももがわずかに緊張で強張るのを、浩平は無意識に目で追った。
「……そんなことまで……?」
戸惑いと羞恥が入り混じった表情。それでも、松澤の穏やかな視線が促すように彼女を見つめていた。
「無理にとは言いません。しかし、ご自身の内側にあるものを言葉にすることで、改めて向き合えることもあります」
広子は小さく唇を噛み、再び浩平のほうを見た。彼は硬い表情のままだったが、拒絶する様子はない。ただ、じっと彼女の言葉を待っている。
静かに息を吐き、広子は覚悟を決めたように口を開いた。
「……そのとき、私は彼の言葉に戸惑いました。けれど……」
指先が膝の上でさまよいながら、わずかに頬が朱に染まる。
「でも、嫌ではなかったんです。むしろ……心臓がドキドキして……」
浩平の喉が、ごくりと鳴った。
松澤はペンを指先で回しながら、穏やかに続ける。
「それは、彼に対して特別な感情があったからですか?」
「……いいえ。ただの……その場の雰囲気というか……」
「では、広子さん自身の中に、そうした状況に惹かれる何かがあったのでしょうか?」
広子ははっと息を呑み、僅かに首を振った。
「そ、それは……わかりません。でも、そのときは……彼がズボンを下ろすのを、ただ見ていることしかできなくて……」
診察室の空気が重くなり、湿度を帯びたように感じられる。
「ええ、そのときのことを、できるだけ鮮明に語ってみてください」
松澤の声は、あくまで穏やかだった。
広子の視線は揺れながらも、記憶の奥へと潜っていく。
「……彼は、おどけたように笑いながら……ゆっくりとズボンを下ろしました。私は、それを……ただ見ていて……」
広子は小さく唇を舐める。無意識の仕草に、浩平の指先が微かに動く。
「そのとき、どう思いましたか?」
松澤の問いに、広子の体がぴくりと震えた。
「……驚いたけど……でも、同時に……」
彼女は言葉を詰まらせる。
「……自分でも、信じられないんですけど……少し……期待してしまっていた、のかもしれません……」
その言葉が診察室に落ちた瞬間、沈黙が訪れた。
広子は膝の上の手をぎゅっと握りしめ、恥ずかしさに耐えるように俯く。
「それから?」
松澤はあくまで冷静だった。
広子は、震える唇をゆっくりと開く。
「……彼が、私の顎を持ち上げて……」
静かに、静かに、広子は記憶を辿る。
過去の自分がしたこと、それに伴った感情の揺らぎを——。
松澤は、静かにノートをめくりながら言った。
「……なるほど。そのまま流されてしまったのですね。その後、どうなりました?」
広子は指先を膝の上で絡め、視線を落とした。
「……少し、戸惑いました。でも、彼は冗談っぽく笑っていて……本気なのか、からかっているのかわからなくて……」
「それで?」
「私も……笑ってごまかそうとしたんです。でも、彼は引かなかった」
広子は、自分の胸の内にある記憶を掘り起こしながら、ゆっくりと言葉を選ぶように続けた。
「……“なんだよ、やってくれないの?”って、からかうみたいに言われて……」
「そのとき、どう感じました?」
松澤の声は、穏やかでありながら、どこか鋭さを秘めていた。
「……心臓が、少し……跳ねました」
「跳ねた?」
「……ええ。その言葉を聞いた瞬間、ちょっとだけ……ドキッとしてしまったんです」
広子の声は、ほんのわずかに震えていた。
浩平は無言のまま彼女を見つめる。彼の拳が、ジーンズの上でわずかに強く握られるのを、広子は視界の端で捉えた。
「そのまま……どうしたのですか?」
松澤が、次の言葉を促す。
「……私は、冗談っぽく“バカじゃないの?”って言いました。でも、彼は笑って“冗談でもいいから、ちょっと試してみてよ”って……」
「それで?」
「……彼のズボンの前が、膨らんでいて……それを見たら、なんだか……」
広子は、息を詰まらせた。
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