ダークノア・ヒーロー編/レッド(2)
🕑 Added 2022-05-15 17:04:47 +0000 UTC
コメント:堕ちる堕ちる詐欺でまだ健太君は出てきません。
堺修吾:スクラムハーフ(170/78/18)
一番に部室を開け、最後に部室を閉める。そのために、部室の鍵を管理すること。それが1年生でレギュラー入りした、俺に課された仕事だった。だから、最後まで『居残り』をしていても、誰も不審に思ったりはしない。
部員達の汗と泥で汚れた部室の床を見つめ、俺はその時を静かに待った。ひび割れた時計の秒針だけが、妙にうるさく部屋に響く。本当は今すぐ逃げ出したいのに、隆星先輩の命令通り、身体がドアに向かうことはなかった。もしかしたら、心のどこかに期待があるのかもしれない。連日の『居残り』で俺は少しずつ、少しずつ、歪められていく。
スパイクの鋲がコンクリを打ち、足音が近付いてくる。建付けの悪い部室のドアがそれなりの勢いで開くと、隆星先輩が大股で部室に入ってきた。
「いやあ、すまんすまん。報告がなかなか終わらなくって。待たせちまったな」
片手で拝みながら、それでいてにこにこと笑いながら、隆星先輩は俺に近付いてきた。汗と、汗だけでない男の色香に俺は当てられる。練習で着ていた臙脂色のラグビーシャツに、白のラグビーパンツ、そしてその下に真っ黒なタイツと長袖のコンプレッションシャツを着込んでいる。そのいかにもラガーマンという出で立ちにも、俺は惹かれていた。元々、気さくな先輩で、後輩からもよく慕われていた。健太先輩がいなければ、十分通用するナンバーエイト。それでも、2軍で腐らずに練習に打ち込む姿をみんな見ていた。俺ももちろん、尊敬していた。ただ、自分なんかがレギュラー入りして良いのかという葛藤は常にあったので、何となく気まずく、積極的に話をするような間柄ではなかったのだが。
隆星先輩はスパイクを脱ぎ、自分のロッカーにぞんざいにそれを突っ込む。汗で蒸れた黒のソックスは溶けるようにタイツと同一化し、黒光りする皮膜に変化していった。ユニフォームも瞬時に黒く染まり、どろりと形を崩してシャツやタイツに溶け込んでいく。隆星先輩は黒の全身タイツのような姿に変化し、俺に向き直った。恥じらいなく、タイツの下に堂々と勃起したチンコを浮かび上がらせていた。その姿は、何度見ても見慣れることがなく、異様だった。
「はあっ、ユニってエロいけどやっぱり窮屈だよな。お前もそう思うだろ?」
「俺は……」
否定の言葉は、身体の表面を這い回る不快な触感に遮られる。俺のユニフォームも形を崩し、隆星先輩と同じ全身タイツ姿──ダークノアの戦闘員としてのあるべき姿である、ダークスウツに戻っていく。一日の練習でたっぷりかいた汗を吸ったスウツは、じっとりと纏わりつくような熱と共に俺の雄臭い匂いを放ち始めた。隆星先輩が俺の胸元に鼻を押し当て、すんすんと音を立てながら俺の匂いを堪能する。
「あぁ、雄くっせえ♡すっかりエロいカラダになっちまったなあ♡」
「んッ♡…………やめて、くださいっ!」
恥ずかしい。それなのに、俺の肉体はどんどんエロい気分になってくる。股間がずるりと変形し、ダークスウツにコーティングされたチンコがムクムクと勃起していく。俺は涙目になる。嫌なのに、隆星先輩には逆らえない。なりたくない筈なのに、俺の心も体もどんどん戦闘員に近付いていく。
ちょうど1か月前、俺は隆星先輩に騙されてコンプレッションウェアに擬態したダークスウツを着させられてしまった。それから毎日は地獄だった。全身をじわりじわりと改造されていく恐怖。少しずつ戦闘員としての思考・価値観が刷り込まれていく非情さ。助けを求めようにも、俺の肉体を掌握したダークスウツがそれを許さない。そして。
「そろそろ修吾も我慢できなくなってきたんだろ?練習中からチラチラ皆の股ばっか見てたもんな。俺に言ってくれれば毎日チンポ恵んでやるのに♡」
隆星先輩は自分のチンコを指で弄びながらそう嘲笑った。俺は黙っていた。そんなことはない。そんなことはない、と心の中で自分に言い聞かせる。だが先輩のチンポから目線が外せない自分がいるのも、また事実だ。いま好きにしていいと言われたら、俺は──。
俺が何も反応せずに突っ立っていると、隆星先輩はやれやれといった風に肩を竦めた。「じゃあ今日もこれだな」。隆星先輩のダークスウツが蠢いて、手の中に一枚の黒い布が現れる。ああ、と俺はその見慣れた布を、諦めながら見つめた。ぞんざいに手渡されたので、広げる。
それはダークスウツでできた覆面だった。被ればちょうど俺の口元だけが露わになる。
「…………今日もっすか」
「嫌なら被らなくていいぞ。そもそも、『居残り』だってお前が自主的に来てるんじゃないか」
「──それは、先輩の命令っすから」
「逆らったっていいんだぜ。まだお前戦闘員じゃねえんだからよ」
隆星先輩はぷいとそっぽを向いて、突き放すように言った。こんな状況じゃなければ噴き出してしまうような、思いがけずかわいらしい仕草だった。ふと、みぞおちの辺りが熱くなり、胸が苦しくなる。
──俺は、隆星先輩のことが好きなのかもしれない。
好きになった、と言うべきなのか。好きになるようにされている、と言うべきか。俺が隆星先輩にこんな姿に変えられたその日から、例えば、先輩の立ち姿をカッコいいと思うようになった。先輩の笑顔をもっと見たいと思うようになった。先輩から褒められたいと思うようになった。これが洗脳の効果なのだとは分かっている。だけど、分かっているからといって好きという感情がどうにかできるわけじゃない。
──隆星先輩に服従したい。
それはつまり、俺をこんな風に改造した悪の組織に服従し、忠誠を誓うことと同じだった。身体の芯がじんと熱くなり、『この考え方が正しい』とメッセージを、快感として送って来る。チンコからどろりと先走りが漏れ、ダークスウツにじっとりと染みた。それからは考えるよりも先に、身体が動く。俺は両手で覆面を広げ、頭をゆっくりと捻じ込んだ。隆星先輩には逆らえない──もう逆らえる肉体でも精神でもないのだ。視界は一面闇に覆われる。生暖かく、隆星先輩の匂いに包まれて俺は興奮する。両手で頭長から顔を覆うように覆面を押し伸ばし、ぴったりと肌に密着させた。仕上げに首周りをひと撫ですると、覆面は俺のダークスウツと継ぎ目なく癒着する。もう自分の意志でこれを脱ぐことはできない。そこには、頭から爪先まで真っ黒な全身タイツに覆われた男が佇んでいることになる。誰も一目でそれが俺だとは分からないだろう。こうして、俺は俺じゃなくなる。
──堺修吾は無名の戦闘員に変貌する。
「ん゛ッ♡」
戦闘員にしていただいた悦びに我慢できず、俺は無様に射精した。俺はもちろん、数秒前の自我と地続きで、この思考が矛盾していると分かる。しかし、そういう論理や考えは、覆面を被ると快感ですっかり塗り潰されてしまうのだった。
「ははっ♡やっと素直になったなぁ♡かわいいぜ、修吾♡」
耳元で隆星先輩の声が聞こえる。頭をゆっくりと撫でられ、バカみたいに嬉しくなる。試合の最中みたいに、心臓がバクバク鳴って、ドーパミンがドバドバ放出される、そんな感じだ。このまま隆星先輩に好きなように弄ばれる──ということにはならない。
がたがたと耳障りな音が聞こえる。部室の建付けの悪い扉が嫌々開いたようだった。不揃いな足音と、複数の男達の息遣い。俺の周りをぐるりと囲むように彼らは配置に着く。むっと籠るような熱気、畳と汗の匂い。今日は柔道部の戦闘員が俺の『教育』に来たようだった。間の抜けた電子音が少し離れた場所で鳴った。隆星先輩がいつものようにカメラを起動したのだろう。
「さ、居残り練始めるか。挨拶!」
部活の時と同じ、鋭い声で隆星先輩が命じる。
「──ご指導、よろしくお願いします♡」
これも毎度のやり取りになった。今や媚びを売るような自分の声に、驚くことも無い。だって、今から戦闘員達に廻されることを──それを心のどこかで楽しみにしていたと、俺は否定できない。『居残り』は戦闘員に洗脳・改造される恐怖の儀式から俺の肉欲を満たす楽しみにすり替わっていた。
左右背後からバキバキに勃起したチンコを押し付けられる。片手で玉と竿を撫でると共に、肩幅に足を開いて戦闘員達の劣情を受け入れる準備を始める。前戯なしでゆっくりと俺のアナルを、硬く、太く、熱い改造された肉棒が貫いていく。俺はその圧倒的な質量を受けて、覆面の中で目を見開いた。
「おー、すっげ…………」
「揖斐のチンポ丸呑みかよ」
「才能あんのにまだ抵抗するとか……マジ意味ねえのに」
「まあまあ、俺達で早く染め上げてやろうぜ♡」
楽しげなやり取りとは裏腹に、俺を犯す戦闘員達の動きは激しく、いやらしくなっていく。
「お゛ッ♡」
極太の戦闘員チンコが俺の性感帯に当たる。擦れる。その衝撃が来る度に俺は頭の中が真っ白に──いや、真っ黒に染まってしまう。我慢できず、雌犬のようにはしたなく喘ぐ。今まで生きてきた中で、こうして『調教』される瞬間が一番、気持ち良い。俺は無意識に腰を振り始める。浅ましい獣に堕とされ、自ら快楽を貪るようになっていく。
「たっぷり中出ししてやるッ♡」
「あ゛っ♡やめッ♡ん゛ん゛っ♡」
どぷっ、という音と共に、俺の体内に熱く、重たい精液が流し込まれていく。俺はその絶頂をてっぺんから爪先まで全身を緊張させて受け止める。短距離走を走り終えた後のように呼吸は荒く、身体は熱い。俺の自我は、じっとりと黒い精液に汚され、侵蝕され、犯されていった。
※
全身が熱い。男達の汗と精液がダークスウツにじっとりと染み込んでいる。俺はくたくたになって大股を広げ、部室の汚い床に座っていた。背中をベンチに預け、肩で息をする。柔道部の戦闘員達は来た時と同じように、ガヤガヤと騒がしく去って行った。
覆面が頭の先から解けるように収縮し、俺のダークスウツに吸い込まれていく。今日の『居残り』が終わった証だった。正面には腕組みをした隆星先輩が佇んでいた。
「お疲れさん」
「…………ッス」
立ち上がろうにも、文字通り精も根も尽き果ててしまった。隆星先輩が近寄り、屈んで俺に目線を合わせる。
「イキたい?」
あれだけ激しく廻され、快楽漬けにされ、何度も絶頂を迎えた。それにもかかわらず、俺は一度も射精していなかった。それはもちろん、俺を改造した隆星先輩が許可しなかったからだ。この誘惑に抗える雄は、いない。
「……ッス。イキてえッス♡」
媚びるような声が出る。覆面はなく、堺修吾が戦闘員として射精を懇願する。ギンギンに硬くなったチンコが、びくびくと痛いほど震える。締まりのない涎のように、先走りがダークスウツにダクダクと染みていく。隆星先輩が、ゴツく、固い足の裏で俺のチンコを踏み付けるように擦り上げる。俺は快感でよがり狂った。
「ほーら、イッたら洗脳が進んじまうぞ。俺達とおんなじになっちまう」
「はあっ♡うう、イヤっす♡俺は、戦闘員なんかにっ♡お゛っ♡ならねえっ♡」
「じゃあやめとくか」
隆星先輩はあっさり引き下がる。俺は──矛盾で頭がおかしくなっている俺は、隆星先輩の脚にすがりついた。
「かわいいなあ♡修吾は♡」
隆星先輩がにっこり笑う。足の指先を器用に使って、裏筋を強く刺激する。
「ん゛ッ♡イクっす♡おおおおおおおおおおおッ♡すげえッ♡またイクッ♡あ゛っ♡止まんねえええええ♡」
俺は無様に射精した。ダークスウツよりほんの僅かに明るいグレーの精液が、俺の戦闘員としての完成度を物語っている。あと少しで、俺は完全にダークノアの尖兵となってしまうだろう。しかし、それももう仕方のないことだとすっかり受け入れつつあった。
俺の精液で汚れた隆星先輩の爪先をぺろぺろと舐めて綺麗にする。自分の精液の味も、一日走り込んだ隆星先輩の足の匂いも、全部が最高の味わいだった。味覚や嗅覚は完全に改造されきってしまったらしい。後は、ほんの僅かに残されたこの思考だけだった。
「健太が助けに来てくれると良いのになあ」
不意に隆星先輩がそう言った。本当は正義のヒーローである健太先輩は、いつまでも、俺のことを助けに来てはくれなかった。俺は、健太先輩に気付かれないまま、戦闘員に成り果てようとしている。
「かわいい後輩がこんな目にあってるのに気付かないなんて、薄情だよな?」
俺を戦闘員に改造した張本人が言うことではない──そう思うのだが、俺の心の中には黒い靄が広がっていく。
──こんなに尊敬しているのに。
──こんなに慕っているのに。
──こんなにつらい思いをしているのに。
健太先輩は俺のことを、助けてくれない。それに気が付いてしまった時、俺は心の底から絶望していた。隆星先輩が背後からそっと俺の肩に手を回す。
「俺は修吾のこと見捨てないぜ。ま、戦闘員の仲間になってくれたらだけどな」
いつものように、隆星先輩がにっこりと俺に笑いかける。それが、俺の洗脳の仕上げだった。俺は熱に浮かされたように、隆星先輩に懇願する。
「俺を、戦闘員にしてください♡」
※
あれほど待ち焦がれていた隆星先輩とのセックスは、戦闘員同士の交尾と同様、ごく自然に始まった。ベンチに両腕を付き、ケツを突き上げるように差し出すと、前戯なしで隆星先輩がチンコを乱暴に突き刺した。先程の柔道部員とは比べられないほどデカく、圧迫感があり、俺の腸内はすっかり隆星先輩のチンコの形に変形させられてしまった。隆星先輩には敵わない。雄として俺は完全に屈服する。同時に、ダークノアに屈従する。
「すげー気持ちいいぜ♡」
ラガーマンのぶっとい太腿同士がぶつかり合い、パンッとはじける音が部室に響く。単調に、休みなく、淡々と俺は隆星先輩に犯される。これまでの淫行とは比べ物にならない気持ち良さが、ずっと続いていた。同時に、脳みそがダークノア一色に塗り潰され、二度と人間に戻れなくなる。
「そら、俺のザーメンで生まれ変われッ♡」
熱い黒精が孕むくらいに中出しされる。隆星先輩の子種で、俺は戦闘員として完成する。
「あっ♡なるッス♡戦闘員にされちまうっ♡なるっ♡なるなるなるッ♡俺っ
、戦闘員になっちまったあああああッ♡」
トコロテンをするように俺のチンコからも漆黒の精液が吐き出され、部室の床を黒に染める。戦闘員として完成した。その感慨と悦びだけが俺を満たしていた。すぐに隆星先輩に向き直り、忠誠のポーズを取る。
「今まで抵抗してすみませんでした♡俺、堺修吾は今からダークノアに身も心も捧げます♡」
どぷっ、とダメ押しで黒精が溢れ出る。ラグビーで鍛えた肉体も、培った忍耐力も、全ては今日ダークノアの戦闘員になるためのものだったに違いないと思った。根気強く洗脳・改造をしてくださった隆星先輩には言葉もない。隆星先輩はひとしきり生まれ変わった俺を褒めてくださった。そして。
「どうして、修吾をターゲットにしたかわかるな?」
その言葉を聞いて、俺は頷いた。健太先輩──憎きヒーロー、レッドが次の標的だったからだ。